<<前回までのあらすじ>>
前衛アートの街、水海道をほうほうの体で逃げ出した私とマックス。
だが、水海道より先は列車の本数がぐっと減ってしまい、30分近く待たされるのであった。
守谷を出た関東鉄道は、一路北へ向かって切り込んでいく。
次の目的地は、守谷駅から約10分の水海道駅である。
かつて鬼怒川の水運で栄えた水海道。
最近の市町村合併により今は「常総市」となっている。
関東鉄道常総線は、水海道を過ぎるあたりからぐっと、ローカル線らしさを増すことになる。
人家はまれになり、車窓から広がるのは、一面の田園風景。
筑波山を東に見ながら、穏やかな旅が続く、かに思えた。
だが、関東鉄道常総線は、決して我々に安息のときを与えてはくれなかった。
車窓の向こうに、なにやら謎の建物が。
なんだ、あの突飛な建物は?
あのムダに尖った屋根の飾りは、どう考えても悪の組織のアジト以外の何者にも見えないのだが。
そして今度は、突如現れる謎の赤いポール。
しばらく凝視したが、結局なんなのかわからずじまい。
周囲から浮いていることはなはだしかったです。
すると今度は、5層の天守閣を持つ城が突如、現れる。

後で調べたら、「豊田城」という名前は付いているものの、つい最近立てられたもので、その実態は地域交流センターなんだそう。
豊田城という城があったことは事実だが、場所も違えば天守閣なんてあるわけもない、小さな砦のようなものだったらしい。
一言で言えば、やりたい放題である。
こんなふうに、沿線に次々現れる奇妙なオブジェの数々。
のんびり車窓を見てもいられない。
そしてそんな我々を、筑波山は常に、あざ笑うかのように見下ろしていた。
(下妻駅前にて)
さて、長かった関東鉄道常総線の旅も終わりに近づいてきた。
この辺までくると、列車はもう当然のごとく、一両である。
たどり着いた終点・下館。
そこは、ごくごく普通の街であった。
だが、そんな普通さがなんだか、とても懐かしく思える、関東鉄道常総線の旅だった。
(完)